中央日報に、日本共産党志位書記長のインタビュー記事が載りました。
記事→「不況で日本共産党入党者が日々増加」/日本(1)
この記事の中で、志位書記長は“社会二極化の解決策”として、次のように述べている。
「1999年から登場した非正規職を正規職化することが至急だ。
必要な財源は軍費を減らして企業が人材投資を増やせば調達することができる。
日本が年間5兆円を使っている軍事費のうち、攻撃用ヘリコプター、空中給油機など海外派兵目的の軍事費は今すぐ削減することができる」
派遣などの非正規職を、正規職化するには、雇用そのものの拡大が必要だが、そのために必要なことは産業の育成であり、雇用促進のために税金をただばらまくことではない。
いま国家としていま必要なことは、歳末緊急経済対策としての企業融資への保証枠の拡大だが、企業側からしてみれば、借りたものはいずれ返さなければならない。
非常用資金として、一時的に資金を調達しても、景気そのものが回復せず、国内産業そのものが活性化しなければ、いずれ企業自体が倒産に追いやられてしまう。
つまり、緊急措置としての保証枠の拡大に次いで、中長期的にはこの国の産業の活性化と労働力を吸収できる新たな雇用の創出が課題となっているといえる。
その意味で、志位氏のいう、国防費の削減は、中長期的な分野に属するものだから、そこでは、単に政府が融資保証枠を拡大するというだけでは、何の問題の解決にもならず、景気をいかに回復させ、どのようにして雇用を創出するかが、最大の課題となる。
たとえば、広島を例にとる。
広島はマツダの町であり、マツダが風邪をひくと市経済が肺炎になる。
いま、自動車不況のあおりで、町に失業者があふれ、他の雇用機会もなく、町の経済はひん死状況となっている。
そこに政府が、呉の造船所に、新型空母の建造を発注したとする。もちろん自衛艦である。巨艦の建造である。マツダを離れた労働力は、当然呉造船所に吸収され、新たな雇用が創出される。空母の建造には、新型コンピューターシステム、電力、機械、金属、食糧にいたるまで、ほぼ一国の創造に必要なだけの産業が関与するから、地域経済はうるおい、雇用も確保され、これにともない飲食店やタクシー、運輸、ホテル等、地域の様々な業種が一気に活性化する。もちろん、空母の建造により国防も充実強化される。
広島は一例にすぎない。
造船所は全国にあるし、空母の増艦となれば、当然、搭載する航空機も発注の対象となる。部品の供給に際しては、全国の自動車メーカーにも発注が行き、これによって大手自動車メーカーの下請を行う中小零細自動車関連会社も潤うことになる。経済効果は全国に波及する。
マスコミの報道をみると、麻生はダメダメ宰相であり、早晩選挙を行い、民主政権にすべしとの論調が多い。
しかし安倍、福田両氏が総理辞任を発表したとき、株価は急落したし、逆に麻生氏が解散の先送りを発表した10月27日には、株価は急反発している。市場は民主・小沢氏の台頭を歓迎していない。
ただでさえ、石油不況にあえぐいまの日本において、さらに国富をマイナスにもっていく政権交代は、不況にあえぐ日本の数多くの庶民にとって、決してプラスにならない。
他方、金融不況の発信源となった米国をみれば、オバマ氏が次期大統領である。
オバマ氏自身の思いがどこにあるかは別として、氏の最大の支持母体が米国の貧しい黒人社会にあることは、一考に値する。オバマ氏の公約はチェンジであり、金持ちの持つ富を貧しいものに分け与えるということに根本指向がある。
金持ちの持つ富を、貧しきものに分け与えよという志向は、東亜政策にも影響します。
日本はじゅうぶん富んだのだから、その富を中国15億の貧しい人に分け与えよ、という発想です。これがオバマ氏の中国寄り外交です。
このことは、日本にとっては、米国の軍事力の傘の中で、経済だけの発展を得ていることができた戦後体制の変革を迫られることを意味します。実際、日本の領土である竹島が事実上韓国によって占領され、尖閣諸島が中国海軍に実質支配されていても、米軍は、いっさいの報復・反撃をしていません。
もしいま、北朝鮮か中国のミサイルが東京に打ち込まれれば、日本の一極集中型首都機能と経済は一瞬にして破壊されますが、そうなったとしても、日本がこのミサイル攻撃を戦争と認めず、戦うことをしなければ、米軍は報復攻撃はしない。その日本は、自衛隊を持っていても、この出動のためには、200以上もある法律をひとつひとつクリアしたうえ、臨時国会を開いて開戦の意思決定をしなければ、応戦すらできないという非常識ぶりです。
その国会が、首都へのミサイル一発で開催すらできないとなれば、日本はこの時点で他国の侵略に対してまったく無防備になる。日本は戦後60年かけて、そういうわが身を守ることすらできない国になり下がっているのです。
そうしたなかで、日本が、いま、景気対策、雇用確保に必要なことの選択肢として、当然考えなけらばならないのが、専守防衛システムのための国防産業の強化育成です。
ですから、残念ながら共産党志位書記長の言い分は、まったく的を得ていないといえるのではないかと思えるのです。
国防力の強化というと、すぐに日本は再び侵略国家になるのか等、さまざまな反対意見が出てきそうです。しかし、地震や水害といった災害に備えるのは国家としての務めであるのと同様、他国からの侵略や戦争行為に備えるのは、国家としての義務です。
仮に日本が他国によって攻撃され、その支配下に置かれることとなったとき、私たち日本人の私有財産は没収され、政治犯として家族が逮捕勾留され、あらゆる学術文書が燃やされ、日本人がパレスチナ難民のように流民化する。地震や水害同様、そうした事態は、絶対にないとは言い切れない。
中国や韓国、北朝鮮との平和外交は必要なことです。しかし、強姦魔の前で、丸裸の女性が、ゆっくり話し合いましょうといっても通用しない。守っていてくれたはずの米軍が、その戦略を転換(チェンジ)し、守ってくれるはずの自衛隊が見えない縄で縛られて身動きつかないという状況の中で、黙って犯されるのを待つのか、なんとか縄をほどいて犯すなら戦うぞと、牽制するか、いま日本は選択を迫られているように思います。
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