堺屋太一氏は、ボクは大好きで、この人の書いた本は、おそらく全部読んでいると思います。
堺屋氏が経企庁長官だったころ、景気がちっともよくならないとマスコミは大騒ぎして氏を長官の職から引きずり降ろしました。
しかし、今振り返ってみると、バブル崩壊後に日本の経済が上向き数字を出したのは、この方が在任当時だけです。その前も後も、一貫して日本経済は転落の一途をだどっています。
その堺屋氏が、週刊ダイヤモンドに寄稿されたようです。
堺屋太一が語る“格差是正”の処方箋
「人脈、情報、地域の固定化で拡大した格差を解消せよ!」
週刊ダイヤモンド編集部【第41回】 2008年12月03日
標題だけを見ると、格差社会の是正のために「格差を平準化せよ」と言っているのかと思いきや、内容は、ぜんぜん違います。
まず、氏はいまの日本に3つの「格差」があると主張します。
1つは、議員や役者、大手会社役員などの2世ブームに象徴される、≪親の顔による人脈の格差≫
昔から、親の残した財産による格差というものはあったが、親の築いた人脈によって引き立てられるというのは、たしかに新しい概念だと思います。
2つめは、≪正規社員と非正規社員の格差≫
80年代までは、農村部出身の兼業農家の出稼ぎ者と、結婚・出産で退職が予定された女性が「短期雇用」の低賃金労働者の役割を担ったが、90年代以降はこうした兼業者が激減。女性も終身雇用が増加し、正規社員の採用が企業にとって多額の将来負担を予想させるものとなった。
欧米では、こうした低賃金労働力は、移民労働力によって賄われているが、日本には少ない。もし官僚規制によって日雇い派遣などの臨時雇用をなくせば、この国の産業、とりわけ流通サービスや都市機能維持は高コストになり、社会の質の劣化と職場の海外流出を招くだろう。その結果、日本全体が貧しく不便で住みにくい国になるに違いない、という。
3つめは、≪東京圏とその他の地方のあいだの地域格差≫
90年までは農業保護と工場の増加と公共事業のバラまきによって地方も潤い、不平等ながらも均衡が保たれてた。
その結果、地方にも6種類の富裕層が存続できた。
(1)山林業者
(2)酒造業者
(3)地場産業のオーナー経営者
(4)中心商店街の老舗のだんな
(5)地域の建設業者、
(6)医師・医療機関経営者 などである。
ところが90年代に入ると、冷戦構造の消滅で経済のグローバル化が進展、日本の農業保護も緩み出した。加えてペーパーマネーの横溢とコンピュータ制御装置の普及で発展途上国でも規格大量生産ができるようになった。このため、日本の生産現場は縮小し、手足の機能に徹させられた地方は大打撃を受け、富裕層も消滅してしまった。
(1)山林は安価な輸入材でほとんど価値を失った。
(2)酒造業は日本人の好みの変化で縮小、数も収益も低下した。
(3)地場産業は中国などからの安価な輸入で壊滅してしまった。
(4)中心商店街は人口の減少と全国チェーンの進出でシャッター通りと化し、老舗のだんなもワーキングプア並みの収入という例もある。
(5)地域建設業は、21世紀になってからの公共事業の削減や談合禁止で大不況、倒産閉業が続出している。
地方に富裕層として残ったのは医師・医療機関経営者だけだが、ここにも医療行政の厳格化による医師・看護師不足の危機が迫っている。
いやはや、まったくご指摘の通り。。。。。地方はたいへんな状況になっています。
そして氏は続けます。
≪いまや日本は、東京の千代田区と港区に集中した「出島」からしか外国情報の入らない不便な社会になってしまった。このことが、この国をおもしろみのない世の中にし、国民の意欲と創造力を奪っている。≫
うほっ!w 日本は実質、江戸時代のの鎖国と変わらない(笑)
たしかに言われてみれば、そのとおりかもww
≪特にこれからの知価社会において世の中の進化と人びとの満足拡大に必要な知価の創造に当たる人びと――たとえばデザイナーやプログラマー、金融操作、学術芸能、プロスポーツなどに携わる人びと――は、成功・不成功のリスクが高いうえ、成功しても活動期間は他の職業より短い。
それだけに、こうした分野への人材導入を拡大するためには、成功者にはケタはずれの報酬と人気を与える必要がある。世界的に所得税の軽減とフラット税率化が推進されているのは、こうした認識があるからである≫
おぉ('∀'*)♪
ついでに、技術系にも、同様のオテアテを~♪
今回の堺屋氏のレポートは、具体的な問題解決の道筋や方向性を語るものではなく、いまの日本が抱える問題点の構造を整理し、指摘するものにとどまっているけれど、読んでみると、いちいちもっともなことばかり、と感じました。
http://diamond.jp/series/dw_special/10041/
↑で読めますので、ご興味のある方は、是非、読んでみてください^^v
で、・・・・・
本文と全然関係ないのですが、
ボクのこのブログは、かなり右系です。
だけど、ボクは、戦争に賛成とか、大日本帝国万歳とか、自民万歳といういうつもりは毛頭ありません(笑)
いろいろな考え方があっていいと思うし、友人のほとんどは、サヨクです(笑)
ただ、本当の事実はどこにあるのか。政府や国会や政党がどこに向かおうとしているのか。
その先に待つものはなんなのかは、結果としてボクたちの生活におもいきりふりかかってくることなので、非常に興味があります。
マスコミについては、もともとは、朝日は偏ってるね~くらいの認識しかありませんでしたが、報道すべてについて、(;¬_¬) ぁ ゃι ぃと感じるようになったのは、実は、堺屋太一さんが経済企画庁長官のころからです。
マスコミは、景気対策を急ぐ堺屋さんの足をひっぱるだけひっぱって、対策の実現を遅らせ、さらに景気がよくならないではないかと、堺屋さんを叩きまくりました。
しかし、その後のデータをみると、GDPなどの各種の数値が上向いたのは、冒頭記したように、バルブ崩壊以降、堺屋さんが経企庁長官在任当時だけ。
その後の景気の後退は、さらにいっそう厳しいものになっています。
おかしくないですか? なんのための報道なのですか?
景気対策の足をひっぱり、真剣に日本のために努力する人を再起不能なくらい叩きまくり、日本の経済を失速させるのが、マスコミの役割なのですか? 主権は在民じゃないのですか? 日本は主権報道の国なのですか?
冒頭記したように、
上の堺屋氏の問題提起にしても、これは「格差社会の広がり等」を説明しているものですが、
たとえばその本文中にある、
「老舗のだんなもワーキングプア並みの収入」
という一語だけを抜き出して、
「堺屋氏は、地方の老舗のだんなを『ワーキングプア』と決めつけている。努力している地方老舗のだんなだっているのに、まったくもってけしからん発言だ!」
などというのは、どう考えてみたってアホのすることです。
しかし、それが麻生氏の発言とか大臣の発言となると、問題の本質をそれて、そんな言葉じりばかりが「問題発言」としてマスコミの攻撃にさらされる。
これは、へんです。
ECOさんからのコメントに、
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先日の朝の番組、朝ズバかな?みのさんが出てるヤツで 、麻生さんにインタビューしてて
「小沢氏が麻生氏の動きをチンピラの小細工と 言ってましたがどう思われますか?」
と聞かれて、物静かに
「小沢氏本人から聞いた言葉ではないから あなたの言葉をうのみしてコメントはできない 。何かあれば国会で話をつけます」 みたいに答えたら
「このように麻生氏は声を荒げ小沢氏を激しく非難した」
ってナレーターがまとめてて驚き!!
まったく非難してないし。。。声荒げてないし・・・
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というものがありましたが、
意図的にこうした偏った報道を流し、国民に誤ったイメージを植え付けるのは、よくないことだと思う。
主権在民の民主主義である以上、最終選択者は「国民」にあるはずで、その国民が冷静に判断できるよう、事実の正確な報道をするのがマスコミの職務であるはずで、そこに偏向報道を許容したら、それは北朝鮮のプロパバンダ報道となんら変わることがない。
日本の多くの国民が望んでいるのは、そういう北朝鮮のような国なのですか?
飢えに苦しむ北の国民のような生活を、多くの日本国民が望んでいるのですか?
ボクが感じているのは、そういう、いってみれば素朴な疑問で、その素朴な疑問をこのブログで書いています。
日本は、「主権報道」の国じゃない。日本は「主権在民」の国だ。
そう信じるから、民のひとりとして、感じたままを書いています。
いろいろなご意見をいただきながら、ボク自身ももっと学んでいきたいと思っています^^b

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