今回は、ちょっといつもと趣向を変えたショートショートです。
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むかしむかし東洋の片隅にに、ヤプーという国があった。
不思議なことに、東洋の国々が西洋列強の植民地化されていく中で、ヤプーは独立した工業国家に脱皮することに成功し、輝かしい発展をしたこともあったという。
しかし人間以下であるはずの黄色い猿が国力をつけることを好まない列強は、ヤプーが必要とする地下資源の提供を拒み、ヤプーの国力を弱めようと画策した。
これに対抗せざるを得なくなったヤプー国は、東洋諸国の植民地からの解放と資源の確保のために、世界を相手に戦争を挑んだ。
なんと年間の国家予算2億円そこそこの小国が、合計国家予算100億円を超える国々を相手に戦いを挑んだというから驚きだ。
戦争は大変で、そもそも資源がないから。ジャングルの川に戦車を通すために、兵隊さんが川に浸かって材木を担いで、おみこしの要領で戦車を渡らせたり、携帯口糧も諸外国の兵隊さんのような栄養たっぷりのものなんてなくて、米にヒエを混ぜた飯に塩をかけて食べる毎日。戦争も中後期になると、その米すらも途絶えがちになり、雨水をすすり、木の葉を焼いて食べる始末。
アジア大陸を横断するのに、自動車を使いたくてもガソリンがないから、2000キロの道のりを、ママチャリで行軍したというから、驚きだ。
それでも、祖国を守りたい、妻や恋人、故郷に残してきた両親を守りたいという一心がヤプー人たちのそうした行動にふるい立たせたのだろう。
しかし資源のないヤプーが、豊富な資源をもつ国々と戦争を長期間継続するには無理がある。その間、いちにちも早く戦争を終結させなければならない役割を負っていたのが当時外務省と呼ばれた役所だが、この外務省はまるで無策。ヤプーを占領しようと虎視眈眈と狙っていた北方の大国に、あろうことが終戦の仲介を頼んだかと思えば、世界の経済を担う数多くのユダヤ人の命を助けた自国の外交官を更迭するという大マヌケ。和平工作にもたついている間に、将兵のみならず、本土まで焼け野原にして、一般の国民まで幾十万の死傷者を出しながら、終戦工作を実現できなかった責任を、すべて軍隊が悪かったせいだと言い逃れ、自らの責任については知らぬ顔の半兵衛を決め込んだ。
戦後しばらくは、米兵のためにヤプー人の女をあてがう仕事をしていたが、ヤプーの国民が必死にはたらき、経済が復興してくると、民から集めた税金を、平和のためだと言いながら諸外国の官僚や王族にバラマキいた。感謝感激、海外の役人が涙を流してひれ伏すかと思いきや、諸外国からは「もっとカネよこせ」とカネをせびられ「ハイハイ」と大喜びで追金をばら撒いたというから驚きだ。
これに目をつけたヤプーの政治家。「オレが口を利いてやるから、キックバックをよこせ」と厚顔無恥。ついには政敵を追い落とすために国内の政治献金を規制し、自らは海外からの献金で政治資金を賄いだしたというから、これもまた驚きの世界だ。
60年を経由して、勤勉で祖国を愛したヤプーの国民は、祖国を愛さないことが正義であり、批判をするけれど責任はとらないことが「正しいこと」と信じるようになり、自らの祖父母が命をかけて守ろうとした祖国という概念すら忘れ、とりあえずテレビのお笑い番組を見ているのが楽しいという享楽生活に陥った。
これを横目で見ていた自称“大国”と、自称“先進国”の2つの隣国。日本軍が引き揚げたときに火事場泥棒のように勝ち取った政権で、ヤプーから「アフリカの最貧国がいきなり先進国なみ」になるだけの大金をせしめ、このカネを背景にヤプーの政治家を買収。
精神的価値観を失い、カネだけにしか価値を乱せなくなったヤプーの政治家やマスコミは、このカネに群がり、隣国と一緒になってヤプー国骨抜き政策の片棒を担いだ。
そして国籍法が改正され、新たにヤプーの国民になった者が国内の治安をめちゃめちゃに悪化させ、さらに世界中でヤプー人の名前で暴力事件を頻発。
あまりのていたらくに保護国であった米国もついにヤプーを見放し、ヤプーは、自称“大国”の事実上の被保護国となった。
そして自由を謳歌していたはずの国民からは、私有財産権と言論の自由が奪われ、かつては国営貯蓄バンクとして100年以上の歴史をもっていた郵貯銀行も、株式の過半数を自称“大国”が取得。事実上自称“大国”の所有銀行となった。
数年を経ずしてこの銀行の残高がなくなり、円が紙切れとなると、政府は突然通貨を円から元に移行すると発表。当然国民の財産は、すべて紙切れ。さらに憲法と法律が改正され、国民の私有財産が否定され、すべての財産は国有財産と看做されるようになる。
全国で反対派のデモが頻発したが、参加した者は、有無を言わさず収容所に送られて銃殺。若い女性はかつてサイパンで行われたように、裸にされて収容所送りとなったというが、その後の消息は不明である。
ヤプーという国家は、ローマのカルタゴのように、その国家自体があとかたもなく解体されてしまっている。
ヤプーという19世紀から20世紀にかけて、世界の大国と対等に渡り合った国家が、かつてどのような文化をもっていたかということは、22世紀となった今では、まったく知るすべもない。
なぜなら、現政府によって当時の文献は焚書令によって、すべて焼却処分となっているからである。また、かつて、このヤプーという島国で、どのような言語が話されていたいのかすら、いまでは知るすべはない。
かつてヤプー人と呼ばれ、1億人いたといわれるヤプー人は、いまや人口2千万人足らず。その多くは自称“大国”(いまでは世界の超大国)との混血種となっており、島内では、大国の純血種を誇るほんの一握りの役人が貴族として君臨。ヤプー人は、家畜人と呼ばれ、この22世紀における唯一の奴隷として生きている。平均寿命も20歳といわれ、世界一早死である。
まれに国連の人権委員会でこの問題を提起する委員もいるが、かつてヤプー人が開発したと噂される超最先端ハイテク装備による強大な軍事力を持つ東亜の大国によって、そうした告発は、すべて闇に葬られている。マスコミ操作は、この大国がかつてヤプー国を滅ぼしたときの成功体験によって、いまや世界に広がろうとしているのである。。。
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上に書いたのはねずきちの作り話です。
だけど、このまま日本の政治や報道が他国からの情報操作のいいなりになり続け、売国がまかり通る状況が続き、中華に国籍を売り渡したら、これが事実になってしまうという怖い状況が実際に起こらないとは言い切れないのかと思うのです。
自分の子や孫に、悲惨な思いをさせたくない。
誇りある有意義な人生を歩んでもらいたい。
それは、どの親も普通に思う自然な感情ではないかと思います。
それなら、そういう国を作るのも、わたしたち日本の国民の、庶民ひとりひとりの自覚と意識ではないかと思うのです。
古代ローマ帝国の対岸で、当時最高の文明を誇ったフェニキア人の国家カルタゴは、いまでは遺跡でしか残っていない。
完膚なまでに国家と国民を粉々に解体されている。
歴史には、そういう例が他にも多数ある。
すくなくともおいら、絶対にこんなヤプー人になりたくないっ!!
なんとしても、日本の言論の自由と通貨の安定、私有財産の維持確保と、子子孫孫までのこの国の繁栄を望みたい。。。。
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古代カルタゴの町と墓地遺跡