昨日、麻生総理と小沢代表の公開党首討論が行われました。
内容は、Yahooで冒頭から終了までの全編が公開されていますので、そちらをご覧になるとよいと思います。
動画:麻生首相と小沢代表が初の党首討論
↑↑クリックすると全篇を観れます。
この件についてのマスコミの報道は、
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[党首討論]麻生首相と小沢代表、2次補正めぐり応酬 毎日新聞
小沢氏強気の追求に麻生首相平身低頭…初の党首討論 スポーツ報知
「麻生首相では持たない」=民主・小沢氏 時事通信社
<党首討論>年内解散を首相が拒否 毎日新聞
麻生首相、「早期解散の考えだった」=党首討論 時事通信社 etc.....
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標題を見る限り、また、内容もどれも麻生総理に否定的。なかには麻生総理が小沢代表にひれ伏した・・・などとしているものがあり、いつもながらのマヌケな報道ぶりです。
だから自分がまとも・・・などと言うつもりは毛頭ありませんが、言葉じりだけでなく、ちゃんと討論全部を見た上で、自分なりの所感を書いてみようと思います。
まず、冒頭、小沢氏が
「景気対策というけれど、二次補正予算がでないではないか」と、麻生氏に質問します。
これに対し麻生氏は、
「1次補正は年末を乗り越えるための12月までについて9兆円の中小企業支援融資で対応している。二次補正予算は来年3月決算対策がまた必要になるので、1月早々に提示する」と答えます。
これに対し、小沢代表、
「1次補正で十分だというが、倒産件数は昨対14%増。年末にむけてますます景気の悪化は深刻化する。総理は10月末には二次補正をすると話したのに、いまだにそれをしないのは、発言がコロコロ変わっているのではないか?」と応酬します。
麻生氏、
「1次補正の後に、リーマン問題が起こり、100年に一度あるかないかの世界的金融問題が起きた。状況が変化している。1次補正に補正については、9兆円の融資枠の拡大は実現しているが、借り手側の問題だけでなく、貸し手側の問題も解決すべき課題であり、そのため『金融機能強化法』を上程し、衆議院では民主党の修正案にも応じ、可決した。しかるに参議院ではいまだ可決の見通しが立っていない。これをしなければ1次補正による中小企業保護が十分機能しない。小沢代表には、民主党が参議院できちんと審議に応じるよう党内にはたらきかけてもらいたい」と述べます。
これに対して小沢氏、
「金融機能強化法については、我々も対案を出しており、自民党には、我々の案に関してもきちんと審議に参加してもらいたい。総理は1次補正で年末対策は十分というが、倒産件数14%増加という状況下では、すぐに二次補正を提示してもらいたい。そしてそれよりは、ただちに衆議院を解散総選挙しろ」と述べます。
このあと、小沢氏は麻生総理の言葉に重さがないとか、いろいろ言いますが、そのあたりは単なる人格批判に属する事柄なので割愛します。
ここでちょっと解説します。
小沢氏がいうのは、
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●1次補正予算(融資枠拡大)不十分
↓
●即時二次補正予算案を提出せよ。
●さもなくば、解散総選挙せよ。
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という論法です。
麻生氏が言うのは、
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●1次補正予算のうち、政府金融の9兆円は順調にはけているが、民間金融機関の融資枠を拡大する「金融機能強化法案」が未成立である。
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●「金融機能強化法案」が可決しなければ1次補正予算による中小企業保護策はできたとはいえない。
↓
●そこで今国会でこの法案を通した上で、1月早々に二次補正を組みたいので、民主党にも協力してもらいたい。
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小沢氏の主張は、非常にシンプルで簡単。
麻生氏の主張は、ちょっと文章が長いのでわかりにくい方も多いかと思います。
しかし、とっても重要なことを述べている。
どういうことかというと・・・・
政府が出す9兆円の融資枠だけでは、中小零細企業の危機を救うには、不十分だということです。公的融資を実行しても、そのカネで民間金融機関が自分のところの貸出金を回収したら、結果として政府の行った金融支援策はなんの実効もあげない。
さらに、9兆円は大金ですが、国内金融機関の年間の貸出金額全体からみたら、微細なものでしかないです。
だからどうしても、景気対策には民間金融機関の協力が必要になる。当然のことです。
そこで国がカネを出す以上、民間金融機関にも協力を求め、一緒になって中小零細企業への金融支援を行わせる。そのための「金融機能強化法案」です。
しかもこの法案は、民主党からの各種の注文を受け、だいぶ内容が修正されたうえで、すでに衆議院で可決しています。
ところが、どういうわけか参議院では民主党がこの審議に応じない。
そしていきなり「地域金融円滑化法案」という新法案を出してきた。
その「地域金融円滑化法案」の内容については、11月24日の記事「わけのわからない民主党法案」で、詳しく述べさせていただきました。
日本の金融そのものをめちゃくちゃにしかねないとんでも法案です。
民主党はこの「地域金融円滑化法案」を盾に、1次補正予算の審議に応じない。
応じなければどうなるか。疲弊し切っている日本の中小企業の倒産はますます増加してしまう。しかも世はすでに歳末です。
ですから緊急に「金融機能強化法案」を可決し、民間金融機関の融資枠を拡大しなければならない。
このあたり、どう考えても政府ならびに自民党の主張が正しい。
加えて、いますぐ12月にも解散総選挙を行えという小沢氏の言い分は、かなり横暴です。
1次補正は、主に中小企業への資金援助、2次補正が生活者保護をテーマにしていますが、この1次補正もまとまらないうちに、解散総選挙となると、またこの時期に政治に空白が生まれる。
小沢氏は、自分が初当選したのも昭和44年の12月選挙だったといいますが、昭和44年の世相と、いまの100年に一度あるかないかの世界的金融危機の最中では、まるで世相が違う。
あくまで庶民の立場からいえば、この大変な時期に、多くの中小企業が生きるか死ぬかの瀬戸際に置かれているときに、選挙なんてしてもらいたくない。見てください。どこの選挙事務所に行ったって、応援者として頑張っているのは中小企業のオーナーだ。そのオーナーが生きるか死ぬかってときに、悪いけど選挙なんてかまってられない。
そんなことどうでもいいから、カネ貸してくれよ。というのが、どこの会社もホンネです。
ほんとうに、この時期、どうでもいいから政治空白なんて作らず、まじめに、まともに、与野党一丸となって景気対策を何よりもまず最優先で行っていただきたい。そう思うのです。
ついでもうひとつ。余計なことですが・・・・
動画を見ていて思ったのですが、麻生総理の後ろに控えていた大臣諸君!!あなた方にひとこと言いたい。
自分たちのトップが発言したあとは、拍手くらいしろよっ!!
そんなものは、ペーペーの仕事で、自分たちはオオモノなんだと思っているなら、大間違いです。壇上に立って発言するとき、後ろにいてウンウンとうなづいてくれたり、拍手を送ってくれることが、壇上に立つ人間にとってどれだけ励みになるか、あなた方自身、壇上に立つとき、経験があるでしょう。
党首討論は、麻生氏と小沢氏の対決ではない。自公対民主の対決なのです。
ですから、後ろにいる大臣諸君も当事者なのです。
あいづちや拍手くらいはしろ!! あたりまえのことだ。
横道にそれました^^;
党首討論のあと、マスコミの取材に答えて、
「党首討論に出席いただいたことを感謝します」と述べた一国の宰相。
「なにを言っているのか、さっぱりわからない」と述べた小沢代表。
実際、1次補正に衆議院では賛成しながら、参議院での決議にはまるで参加しない民主党の行動をみたとき、ほんとうにこんなことで日本は大丈夫なのか、と不安になるのは、おそらくボクだけではないのではないかと思うのですが・・・・
「国民に信を問う」。選挙はとても大切なことです。
しかし同時に、選挙は国民の生活を犠牲にしてまで行うものではない・・・ボクはそう思います。
みなさんはどうお考えになりますか?
上の討論全編の動画を見た後に、このフジテレビの報道をみると、いかにマスコミが偏っているかがよくわかります。
小沢氏が「意図的に審議を引き延ばすようなことはしない」と言った瞬間、自民側からものすごいヤジが飛んでいる姿を、まるで自民の議員が不見識なように報道している。だけど実際審議に応じていない、それによって年末景気対策がぜんぜん進まない中で、この発言が出れば、ボクだってむきになって野次を飛ばします。
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