おそらく記事を書いた記者の意図と、読み手の自分との感じ方がまるで違う、ひとつの例だと思う。
2008年11月24日02時33分 / 提供:毎日新聞
[民主党]経済対策法案を提出へ 麻生政権揺さぶる狙い
この記事は、【渡辺創】と記者の署名があって、その点は非常に堂々としている。
<引用>----------------------------------------
民主党は23日、麻生太郎首相が08年度第2次補正予算案の今国会提出を見送ったことを受け、中小企業対策を中心とする経済金融対策関連法案を参院に提出する方針を固めた。
経済対策重視の姿勢を示すとともに、「政局より政策」としながら、補正予算案を先送りする麻生政権を揺さぶる狙いがある。
------------------------------------------------
ここまではOK。
次からが問題である。
<引用>---------------------------------------
提出するのは、
▽中小企業に対する融資条件の公開を金融機関に義務付け、中小企業に資金が回るようにする「地域金融円滑化法案」
▽独占禁止法を改正し、大企業による下請け企業への一方的なコスト引き下げ要求などを抑止する通称「中小企業いじめ防止法案」
――の2法案が柱。既に同党の「次の内閣」会議で了承されており、これらを軸に関連法案としてとりまとめ、国会情勢を見て提出時期を判断する。
----------------------------------------------
ねずきちは、いまの自民党万歳というつもりは毛頭ないです。
あえて泥棒を居間にあげるがごとき国籍法の改悪や、信念を貫いた田母神氏への浜田防衛大臣の、敵陣に突入する味方の後ろから弾を撃つがごとき卑怯な対応、身内の中山氏を守ろうとしなかった弱腰等々、直近の自民党のていたらくには失望を禁じ得ない。
だからこそ、かなり前になるけれど、自民を割って新進党を作った時や、現下の二大政党制に対してもある程度の期待もした。2大政党が政権交代を行うことにより、政治に緊張感が生まれるのだという当時の考えを支持もしました。
いまの民主党の「次の内閣」にも、正直、それなりの期待があるのです。
しかし、この2法案はなんですか? まるで責任政党の見解と思えない。
中小企業に対する融資条件の公開を金融機関に義務付け、中小企業に資金が回るようにする「地域金融円滑化法案」・・・・
この時節、中小企業はどこも資金繰りに困っているし、カネを借りたくても、すでに枠はいっぱい。資金繰りの目途も立たず、やむなく派遣社員の首を切ったり、冬のボーナスをカットしたり、ものすごく悲惨な状況があるのは、誰もがご存知の通りです。カネを貸してくれるなら、どこでもいいから借りたい。多くの経営者にとっての正直な思いです。
しかし、金融機関に融資条件の開示を義務付けるというのは、どういうことか?
一定の条件さえ満たしていれば、必ず融資をしてもらえる・・・それをやったのが新東京銀行であり、そのために新東京銀行は経営が破たんに瀕している。
うわべだけの条件を取り揃え、カネを借りれるだけ借りて、会社がドロン・・・そんんな融資案件が次々と出たからです。(外国人犯罪組織に狙い撃ちにされたという説もある)。
金融機関にしても民間だから、融資条件が事前開示制となり、一定の融資条件を備えた案件には必ず融資を行わなくてはならないとなったら、彼らは貸し倒れの危険を防ぐために、どうしてもハードルの高い、総花的な融資条件しか開示できなくなる。
その条件に見合った案件しか融資しないとなったら、これまで、個人の担当者や銀行の支店長が、腹をかけて融資実行してくれていたような水際融資などは、まるでなくなってしまう。
そもそも日本の金融機関がダメになったのは、護送船団方式に埋もれて、画一的な安全融資しかしていなかったこと、そういう体質しかないところへバブルが起き、不動さんさえあれば、なんでもかんでもカネを出した・・・という、本来の「人が人に貸す」という金融の本旨を忘れた営業体質に問題があったと言われています。
ただでさえ、日本の金融機関が青息吐息となっているところに、この「地域金融円滑化法案」は、首吊り人の足をひっぱるがごとき法案としかいいようがない。
どこの会社もカネはのどから手が出るほど欲しいけど、だからといって一時しのぎの人気取りのために、こうした無責任法案を出すという民主党の姿勢には、疑問を感じざるをえない。
自民が腐ってる。そんなことは日本人全員が知っていることで、だからこそ、次の内閣を標榜するなら、ただの人気取り無責任法案をひけらかすのではなく、責任ある政治を提唱してもらいたいと思う。
日本人はバカじゃない。腐っているものと、正しいものがあれば、人々の応援はほっといても正しい者に集まる。どうしてこの時期、政権を獲ろうとする民主党が、こんな無責任なことをしようとするのか、まるで理解に苦しんでしまうのです。
もうひとつの、「中小企業いじめ防止法案」・・・
大企業による下請け企業への一方的なコスト引き下げ要求などを抑止する・・・
円高圧力によって、ただでさえ輸出が厳しい中で、各種原材料の値上げが起こり、しかもその材料費の高騰を製品価格に転嫁できない。
そうした中で、企業はどこもかしこも必死の努力でコストダウンを図ってきています。大手によるコスト引き下げ要求は、そうした時代の流れの中で必然的に出てきた事柄であり、これをやってきたから、日本企業が存在している。
もし、国内企業に対して、これ以上のコスト引き下げ要求ができなくなったら、企業はどうするか。こうなったら、生産拠点をそういう政治的圧力のない海外に移転しようという動きになるのは当然で、これは日本国内の産業を空洞化し、国内就労環境を悪化させ、日本の消費経済さえも根底から破壊するという結果を招くことになる。
少し考えれば、誰にでもわかることです。
そんなもの、責任政党を標榜する者が、主張すべきことなのか。
国内産業の空洞化がさらに著しくなり、さらに「地域金融円滑化法案」によって金融が不良債権の山となり、疲弊したら、この国は根底から破壊されることになる。
記事はさらに続きます。。。
<引用>---------------------------------------
これに関連し、民主党の小沢一郎代表は23日、NHKの報道番組で、
「(首相の経済対策優先の姿勢は)選挙を先送りする口実でしかなかったことになる。
中小零細企業にとって年末が一番の危機なのに、全く無責任だ」と批判し、
「私たち自身の経済金融対策の法案を延長国会に出そうと検討している」と語った。
----------------------------------------------
ここへきて、ガソリン価格に多少の落ち着きが見られるようになりましたが、ついこの間まで、高速道路から普通車両が消えるくらい、クルマが減りました。
物流コストがあがり、その値上がったコストをどこの会社も価格転嫁できず、この時期に破産に至った中小零細の運送屋さんも多い。(ウチの取引先もつぶれました><;)
小沢さんは、選挙選挙っていうけれど、「年末が一番の危険なのに」って言うなら、どうして選挙が優先になるのか、さっぱりわかりません。
年末の厳しい状況を考えたなら、いまはむしろ挙国一致で、歳末対策をすすめ、しかる後に選挙を行うというのが、ほんとうに国政に責任を持つ者の言うべき発言じゃないかと思うのです。
さらに記事は続きます。。。
<引用>---------------------------------------
また小沢氏は同番組で、「年末にかけて失業、倒産がどんどん増え、麻生さんがいくら延命を図っても逃げおおせる状況じゃなくなる」と述べ、首相が年末にも衆院を解散せざるを得ない事態に追い込まれるとの見方を示した。
-----------------------------------------------
正直言って、やめてくれ~~、と言いたいです。
いまの日本は、はっきり言って、選挙なんかやっているような状態じゃない。
議員さんにしたって、落選する危険のある賭けに精を出すよりも、いまは、一丸となって、しゃにむに日本経済の危機を救うための努力をしてもらいたい。
そう思うのは、ボクだけでしょうか。
繰り返しますが、こないだも民主党の政策が「わからない」と書いたけれど (民主党への3つの疑問)、別に民主党が嫌いとか好きとか、そういう議論をするつもりは、毛頭ないし、自民が腐っているという意見も充分理解している。
幸か不幸か、とにかく小選挙区制になってしまっているのは事実なのだし、ひとつの選挙区で、ひとりの政治家しか選ばれないという制度になっているのも事実なのだから、そのなかで、ねずきちはまさに「責任ある政治」の実現を、強く、強く望んでいるのです。
ねずきちは、それなりの責任政治をやってくれるなら、民主党政権だっていいと思っている。しかし、あまりにも解散が先、経済対策後の民主党の露骨な姿勢や、財源の不明なばらまき経済対策、政治より政局を優先する態度、今回の日本経済を破壊するとしか思えない2つの法案と、これではやっていることは、かつての日本●産党となんら変わらない。
解散、総選挙優先とかいうけれど、いまだって参院では民主党議席が多いのだし、ほんとうにみんなのためになる政策・法案なら自民の中にだって賛成する議員が出てくる。ただでさえ疲弊した日本で、どうして、歳末の中小企業にとってまさに寒風吹きすさぶこの時期に「選挙」なのか。
応援する側にしてみても、選挙となれば、友人に投票を頼んだり、選挙事務所に顔を出したり、立会演説会の応援に行ったり、それなりの負担がある。
歳末、生きるか死ぬかの瀬戸際に苦しむ中小企業を前にして、わけのわからないただの人気取りとしか思えない法案をふりかざし、口をひらけば選挙、選挙。。。
いい加減にしてもらいたい。。。と思うのです。
←気にいっていただいたらココをクリックよろぴく。ちょっぴりはげみになりますので^^v

